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日々の記録等をつれづれ

王羲之展とアンリ・カルティエ・ブレッソン展

先日の三連休を使って都内に展示を見に行ってきました。
その感想を忘れないうちに簡単にまとめときます。

日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「書聖 王羲之

王羲之については高校のときに書道の授業で名前を知っていたぐらいでしたが、招待券をもらう機会があったので見てきました。

ただ書に関しては少し習ったことがある程度で、作品を見ても達筆だなーぐらいにしか思えない自分。そんな自分が見て良さがわかるものかなと思いつつも足を運んでみると、摸本だけでなく王羲之の書に至るまでの時代に流れや後世に与えた影響など、王羲之の書について総合的な構成がされているため、十分に楽しむことができました。

こぞって多くの摸本が作られたり、現存しない作風を想像して書かれた作品が作られたりと、その影響の大きさにも触れられました。単に作品が素晴らしいだけではなく*1後世に与えた一つの現象としての王羲之を知ることのできる展示でした。

こころの眼 L'Imaginaire d'après nature

銀座のシャルルネクサスホールで無料開催されていると知って見てきました。

アンリ・カルティエ=ブレッソンについては以前ホンマタカシさんの『たのしい写真』という本で、決定的瞬間の有名な1枚を見た程度で、実はあまり知っておらず…。写真界の巨匠と言われるブレッソンの展示も見たことがないのは写真を趣味にしていうのにどうなのよと思う気持ちもあり行ってきました。

「私にとってカメラは、スケッチブックであり、直感と自発性の操る道具であり、そして視覚的な意味において、質問を投げかけると動じに決定をくだす、瞬間の支配者である」

というブレッソンの言葉があるが、まさにそれを体現するかのような、その一瞬を鋭く切り取った作品ばかりだったように思う。絞り込みつつシャッタースピードの速い写真は絵画を学んだことを伺わせ、客観的でも世界としっかり向き合ったブレッソンの作風に触れるには十分であった。世界と向き合うことの大切さを再認識することのできた展示だった。

*1:オリジナルは現存しないのだが…